2022.05.12

“勝てる農業”を牽引する立役者

「株式会社 野本農園」 野本 勝一さん

コンサルティング農業 雇用の確保生産性向上販路拡大

 

 

地中海が原産で、キャベツの原種に近いという「カリーノケール」。ケールと聞けばどうしても「青汁」のイメージが強く眉をひそめがちになってしまいますが、この「カリーノケール」は生食でも苦味やエグ味が少なくクセのない品種。また、ビタミンやミネラルを豊富に含んでおり、普通のキャベツより栄養価が高い「スーパーフード」として知られるようになりました。近年、美容業界も注目する野菜のひとつです。

 

「スムージーにしても美味しいけどな、火を入れたらもっと甘みが出るんでよ。僕はこのケールの花(花ケール)を天ぷらにしたものが1番美味いと思う」

 

鳴門市大麻町でカリーノケールを栽培・販売するケール専門農園「野本農園」の野本勝一さん(48)自ら美味しい食べ方をおすすめしてくれました。一般的なケールよりフリルが強く、ドレッシングにもよく絡むのでサラダにも最適だそうです。

 

 

平成21年の創業以来、様々な作物をつくってきた野本さんですが、近年は6年ほど前から始めたこの「カリーノケール」の栽培が中心。その作物に対する真摯さと日々の研究が作物にも表れ、良品を数多く見ている関東からのバイヤーからも「ケールと言えば日本では野本さん」「ケールに限らず野本さんが作ったものなら何でも欲しい」と言わしめるほど。実際に東京の百貨店や高級スーパーでも「野本さんのつくるケールは棚持ち(日持ち)が良い」との評判です。

 

 

「ウチのケールは大きくて葉が厚いんよ。メーカーや市場の規格を完全に無視したサイズやな(笑)。ほなけどこの見た目や野性味が良いって言うてくれるんよ。ほら、引っぱってみて。なかなかちぎれんだろ?」

 

1.5㌶の畑で手渡してくれたのは一般のケールに比べてかなり大きな葉っぱ。左右に引っぱってみると確かに肉厚でゴムみたいな弾力性があります。我々の驚いた表情に「にやり」としてやったりの野本さん。

野本農園では「カリーノケール」のほかにも台湾の美食家から“究極の箸休め”と言われている「かいらん」や、「マルケ」、「つるむらさき」、「蕾菜(つぼみな)」、「ラディッキオ」といった珍しい野菜を生産・出荷していますが、どれも共通して言えるのが高品質で棚持ちの良い「生命力の強い野菜」。

 

 

「安全で美味しい野菜をつくるために1番こだわっているのが「土づくり」です。アミノ酸を豊富に含んだ100%の有機質肥料を使用して農薬や化学肥料の使用をできる限り抑えています。あとは何といっても自社で開発したオリジナル液肥『see+(シープラス)』が野菜を劇的に強くしてくれていますね」

 

「説明は苦手なんよ」とはにかむ野本さんに変わってそう話してくれたのは、2年前から野本さんと共同で農園を運営している「モンテクルー株式会社」の曽谷さおりさん(46)。県食材の卸売や飲食店を手がけている同社のディレクターとして農業の現場と首都圏などの飲食店や販売店をつなぎ、ブランディングや6次産業化をサポートしている方です。250人の生産者とつながりがある曽谷さんからみても「野本さんは観察力が鋭く、これからの農業のリーダーとなる人だ」と惚れ込み、農業の活性化を共に目指しているそう。

 

 

「野本さんが研究を重ね開発した『see+(シープラス)』は廃棄される鳴門わかめの茎の部分を分解・発酵させた液肥。目に見えて効果があり、安心・安全で薄めて使え経済的な液肥ということは間違いありません。現在、北海道大学と帯広畜産大学の先生が共同研究で成分を調べてくれていますので、資料が完成すれば販路も広がり、ほかの農家さんももっと使いやすくなると思います」

 

  

 

畑から少し離れた場所に漁師さんが持ってきた「茎わかめ」をずらりと並べた専用ハウスが2棟ありました。ここで乾燥させた茎わかめはまた別の専用施設に持っていき、時間をかけて発酵~液化させます。安全・安心を証明すべく、野本さんはこの『see+(シープラス)』の原液をたまに飲むこともあるんだそう! 

 

「これからわかめは飲む時代かもな(笑)。農作物にしてもこの液肥にしても、今までの価値基準で考えてたらアカン。自分が新たなマーケットを作っていくという考え方やモノの見方が必要になってくるよ。それは将来、我々農家が生き残る道にもなると思う。」

 

現在野本農園では、作物の栽培に悩んでいるプロの農家さんや新規就農者、農業に取り組む福祉法人を「仲間」と呼び、次世代の農家を育てる“スター農家育成事業”にも注力しています。野本さんが生産の指導、曽谷さんが販路拡大やPRを担当し、持続的な農業ができるようサポートする取り組みです。 

 

 

「農家にとって後継者不足は深刻な問題。まずは農家としてご飯が食べられること。その土地で家族を養えることが大事なんよ。市場のニーズや固定概念にとらわれず自由な発想でチャレンジし続ければ、こんなに面白い仕事はないと思うよ、農業って。まだまだ出来ること、可能性があるし、僕がそのお手本になれたらと思ってる」

課題

・従業員や後継者等の人手不足
・作物の販路拡大
・液体肥料「see+(シープラス)」の販路拡大
・農業コンサルティング等、他のがんばる農業者への支援拡大

企業情報

企業名 株式会社 野本農園
業種 農業・肥料販売
事業内容 農産物の生産、販売( ケール、かいらん、菜の花、きたあかり、つるむらさき)
住所 鳴門市大麻町三俣字走り出16
代表者名 代表取締役 長條 範
設立 平成21年4月1日
HP https://nomotofarm.com
Instagram https://www.instagram.com/nomoto_farm/
電話番号 088-676-2319
E-mail nomoto@kkoco.jp