2022.05.27

地元の美味しい食材を五感で楽しんでもらいたい

「有限会社 王将」 料理長/豊崎 雅史 さん

飲食 認知度向上販路拡大

 

 

鳴門駅前から徒歩10 分。小さな公園の向かい側にカウンターを備えた本格和食店があります。今から約40 年前に開店して以来、地元客をはじめ、県内外の和食ファンを虜にしてきた和食・日本料理の「王将」。4 年前に同店の料理長を父から受け継いだ豊崎雅史さん(34)が修行を積んだのは大阪の「一汁二菜うえの」、京都の「安久」とその名を聞けば食通が唸る名店ばかり。

 

「辻調理師専門学校を卒業してすぐ、ミシュラン1 つ星の『一汁二菜うえの(大阪府豊中市)』で4 年間日本料理と天ぷら料理の基礎を修行しました。その後、より豊富な知識と技術を身につけようとミシュラン2 つ星店『安久(京都府京都市)』で6 年間修行し、30 歳の時に帰郷したんです。都会で自分の店を持つことも考えましたが、やっぱり自然に囲まれた故郷がいいなと思って。好きな釣りもできますし(笑)。都会でしのぎを削るより、地元にもっと愛してもらえる料理店にしたいと家業を継ぐことを決めました」

 

 

 

雅史さんは同店の料理長に就任後、本格的な日本料理人の味を気軽に楽しめる宴会料理に磨きをかけたほか、カウンターで揚げたての天ぷらを提供する「天ぷら割烹」を新たに開始。カウンターの目の前で一品一品天ぷらを揚げて提供する̶̶都市部の高級店では聞きますが、徳島ではまだまだ珍しい形態です。きっとお値段も高いのでは……と心配しましたが、天ぷらコースは4,000 円から、懐石コースが5,500 円からと超良心的。落ち着いた雰囲気の店内で「安くて、美味しくて、お腹一杯楽しめる」と幅広い年齢層のお客さんからも好評です。

 

「天ぷらの揚がる音、香りなど五感で直接感じていただきながら、美味しいものをお腹一杯食べていただきたい、というのが念頭にあります。あまり量を食べられないという年配の方や女性の方がいらっしゃいますが、『王将のコースなら胃もたれせず全部食べることができた』『王将の天ぷらはいくら食べてもしつこくない』と言ってもらえるのが何より嬉しいですね」

 

 

 

 

 

 

都会で注文すれば優に倍はするであろう価格設定ですが、使用する食材に妥協はありません。主に徳島市中央卸売市場で地元食材を中心に仕入れているそうですが、旬のものがあれば知り合いの漁師や農家にお願いし、自身の目で確かめ納得したものを譲ってもらうことも

 

「仕入れの知識や魚を見る目を養おうと、修行中に魚屋でアルバイトをしたこともありました。徳島の食材は全国的にみても一級品。鳴門に帰ってきて、友人が農家をやっていたり、漁業に携わっていたりするので、地元ならではの仕入れネットワークがあるのも本当に助かっています。色々と相談にも乗ってもらえますしね。珍しい魚は県南へ出向き、自分で釣って店で出すこともあります(笑)」

 

 

ただ「揚げる」のではなく、食材の旨味を最大限に引き出すのが「天ぷら」だと雅史さんは話します。また、素材の良さだけに頼らず、手間を掛けた丁寧な仕込みが同店の特筆すべき点。

 

「魚本来の旨味を出したいので当店では『熟成』にこだわっています。熟成に適した魚種はしっかり血抜きした後、エラ・内臓を取り除き、ウロコがついた状態のまま2 種類のペーパーにくるみ適度な真空処理をした後、冷蔵庫内にある水を入れた容器の中で1 週間ほど熟成。身が自重によってつぶされることを防いでいます。鳴門の名産品である『さつまいも』も、農家さんにお願いして当店分はできるかぎり貯蔵してもらっています。貯蔵することで水分が抜け甘みが出るんですよ。どうしても採れたての新物しか出回らない時期には、甘露煮にして貯蔵した芋と同じ味になるようにしています」

 

  

 

熟成させた「鰹のタタキ」をいただきましたが、独特の血生臭さが消えつつ、本来の風味がしっかり残っているという初体験の味。本場・高知県の人が食べても驚くであろう美味しさです。「さつまいもの天ぷら」にしても鳴門金時がもつ上品な甘さを揚げることで最大限に引き出しており、鳴門市民が食べても納得の味。県外の方なら喜んでいただけること間違いなしです。

 

 

 

 

 

現在は王将の味を多くの人に知ってもらおうと、「ちりめん山椒」「わかめの茎の佃煮」「鯛の紅梅煮」といったお土産開発にも取り組んでいる雅史さん。事前予約をすればイベント等で本格日本料理が楽しめる出張料理にも対応してくれるそうです。

 

「現在の取り組み全ては『王将の味』をできるだけ多くの方に知っていただきたいとの想いから。早くコロナが収束し、先代から続くこの店で宴会ができるようになって欲しいですね。それまでは日本料理や天ぷらと真剣に向き合い、その魅力を一人ひとりのお客様へ丁寧に伝えていくことが大切だと思っています」

 

課題

・お店の来客増のための都市部へのPR・情報発信
・お土産の商品開発とその販路開拓

企業情報

企業名 有限会社 王将
業種 和食・日本料理
事業内容 宴会・コース料理
住所 鳴門市撫養町小桑島前浜130-5
代表者名 料理長 豊崎 雅史
設立 昭和50 年頃
HP なし
電話番号 088-685-7729
E-mail katsugyoousyou7729@outlook.jp