“luana” な二人がお出迎え　小麦香る絶品スコーン

 

イギリス・スコットランド地方で生まれたスコーン。粗挽きの大麦粉を使って焼き上げた「バノック」というパンが起源と言われています。サクサク食感のものからしっとりした食感のものまでスコーンにも様々な種類があり、ジャムを塗ったり、何もつけずに素材の味を楽しむなど食べ方も十人十色。世界中で愛されているイギリスの伝統菓子です。

2021 年秋、鳴門市大麻町でスコーン屋をオープンした二人の女性がいます。『luana scone』の代表・村上梓さん（写真右）と尾﨑由香里さん（写真左）。どちらも子育てで家庭を支えつつ、スコーンではお客さまの胃袋をも支えているお二人です。尾﨑さん考案の店名「luana」はハワイ語で「陽気な・リラックス」を意味しており、スコーンを食べてホッとひと息ついてもらえたらとの思いが込められています。

 

　

 

「オープンして1 年半。それまで私たちは同じカフェで働いていたのですが、ある時、尾﨑さんが職場にスコーンを持ってきてくれたことがあって。一口食べたら私のほっぺたが落ちまして（笑）。それから何度も食べていくうちに、このスコーンでお店を開けないかなと。来る日も来る日も尾﨑さんに説得して、ようやく首を縦に振ってくれました（笑）」。

 

　

 

luana scone のスコーンは具材の味をしっかり感じながらも、生地の甘みと小麦の香りが鼻から抜けていきます。何度食べても、その素朴な味わいにどこか懐かしく、自然と目尻が下がる美味しさです。

「メニューは60 種類ほど。その中から季節に合わせて15 種類ほどを日替わりで店頭に並べています。新メニューについては販売している商品の材料同士を組み合わせたり、こんな食材はどうかな？など直感的なひらめきや村上さんと相談しながら、試食していたらいつの間にかこの数に（笑）。私が美味しいと思っても、村上さんが首をひねったら及第点。更なる改良を加えます。その逆も然りで、二人ともが納得したものしか作らないようにしています」。

 

 

そう話してくれた尾﨑さん。元々は子どものおやつで作っていたスコーンでしたが無類の粉物好きである村上さんが惚れ込み、その熱意に「最後は根負けしました」と話します。

「材料には国産小麦100％、きび砂糖やバターなどに素材にこだわりつつ、ベーキングパウダーはミョウバン不使用のアルミフリーのものを使用していますので、安全に食べていただける優しいスコーンです」。

 

 

厳選した材料で一つひとつ丁寧に焼き上げられるスコーンには卵が不使用。卵の匂いが苦手な方、アレルギーのある方にも安心して食べてもらいたいという配慮からです。

「卵を入れても味に影響はないと思います。もしかしたらもっと美味しくなるかもしれません（笑）。ただ、スコーンにかかわらず卵の匂いって独特で。私たち二人も日々子供たちの弁当やおやつを作る中で卵の匂いが気になっていたので、スコーンには初めから入れないでおこうと」。

 

 

30 個以上から予約販売も行なっているluana scone。一つ170 円～220 円というリーズナブルな価格もあり、多い時だと100 個の予約が入ることも。様々な味を楽しんでもらいたいというお二人の熱い思いが価格となってスコーンに滲み出ています。

「せっかく足を運んでいただいたんです。いろんな種類を食べていただきたいですし、何より小さなお子さまが何個も買えるようにしたいなと思ったんです。握りしめたお小遣いであれも、これもと選べるようにスコーンも大きすぎないサイズにしています」。

 

 

「私たちは都会のような流行に乗ったものは作れませんが、誰が食べても“美味しい” と笑顔になれるスコーンを作っていきます。小さい時に来てくれていたお子さまが大人になって家族を連れて買いに来る。そんな地域に根付くスコーン屋になれたら嬉しいです」。