真っ赤な情熱を持った いちご農家を牽引するリーダー
株式会社フルーツガーデンやまがた 代表取締役 / 山形文吾さん
数あるフルーツの中でも老若男女から人気のいちご。人気の秘密は単に見た目や味だけではありません。いちごには腸内環境を整える食物繊維や虫歯予防になるキシリトールなど数多くの栄養素が含まれており、特に風邪予防や肌再生・アンチエイジングに効果のあるビタミンC はフルーツ全体を見渡してもトップクラスの含有量を誇り、6~7 粒で1 日分の必要量を補えるほどで、美容業界からも熱い視線が注がれています。
「今年で農家28 年目。あっという間でした」とこれまでを振り返り、笑顔で話してくれたのは大津町でいちごと梨の生産販売などを手掛けている『株式会社フルーツガーデンやまがた』の代表取締役・山形文吾さん(46)。
山形さんは高校を卒業後、実家の農園へ就農。当時7 畝(1 畝=30 坪)の畑で「さちのか」という品種を栽培し始め、農家としての道を歩み始めました。香りが華やかで糖度の高く美味しいさちのかがたくさん収穫できたそうです。ルーキーイヤーは大成功、しかし翌年以降は1 年目の味・収穫量を超えることができずに悪戦苦闘、10 年の月日が流れた頃、家族の勧めもあり収穫量も望める「紅ほっぺ」の栽培に転換。試行錯誤の末、唯一無二の紅ほっぺにたどり着きました。
「品種とこだわりまでお答えすると納得して購入していただけましたが、はじめは紅ほっぺという品種が先にイメージを作ってしまって新鮮味を感じてもらえなかったですね。それなら名前から変えてしまおうと。人は自分の知らない情報に出会うとワクワクしますから(笑)。使っている肥料に牡蠣の殻やワカメなど海の恵みを受けていることと、鳴門なら渦潮だろと思い“うずしおベリー” に。名づけるとこれがヒットしましね」。
そして使っている肥料に牡蠣の殻やワカメなど海の恵みを受けていることから「うずしおベリー」と名付け、お客様にも興味を示してもらえるようになりました。
うずしおベリーの特徴は何と言っても粒の大きさと甘味・酸味・うま味のバランスの良さ。食べた後もずっと口に含んでいるかのように持続する爽やかないちごの香りは一度食べたらやみつきになる美味しさです。美味しさの秘訣は地元で廃棄されようとしていた牡蠣の殻とワカメなどの海藻を再利用したオンリーワンの肥料です。
「生物由来の栄養素だとお客様に安心して食べてもらえるし、何より美味しくなる。色々な化学肥料も研究しましたけど、自分の納得する味、糖度、実のなり方になったのは自然の恵みでした。しかも通常なら廃棄されるはずの物を地元で再利用する形。味を追求していたら、いつの間にか循環型農業に行き着いた感じですね」。
循環型産業を実践しながらもさらなる挑戦として無農薬でのいちご栽培にチャレンジしている山形さん。農薬を減らすことで、安心安全ないちご作りに一歩前進したものの品質管理の難しさに直面しています。通常いちごの理想的な生育環境は25℃前後。冬の期間は出来るだけいちごが過ごしやすい環境になるよう土をお湯で温めたりしています。大敵は“うどん粉病”(カビ菌が付着し葉が白くなり枯れてしまう病気)です。他の苗にも広がってしまうため、問題がないか一つひとつ人の目で毎朝確認しており、一般的な管理と比べて相当な手間がかかります。
「自分にも孫が生まれまして(笑)。孫に胸を張って安全なものだと食べてもらうことを考えると「安心安全」の言葉って改めて重たい言葉だなと思って。お客様に美味しく安心して食べてもらうために自分ができることは何だろうと常に考えながらいちごと向き合っています」。
常にお客様のことを考えながら、新しいことにチャレンジし続けているフルーツガーデンやまがたでは、2023 年1 月より無人いちご狩りをスタート。コロナ禍での人との接触を避けられることや、ハウス1 棟を独占しながら摘みたてのいちごを堪能できることもあり、家族連れなど老若男女から大変人気です。
「事前にお送りしているQR コードを入り口でかざすと入室できるようになっています。美味しいいちごの見分け方や摘み取り方法の動画、終了前のアナウンス動画をお客様のスマートフォンに流すなどして、お客様には手ぶらで来てもらって時間目一杯いちご狩りを楽しんでもらえるよう工夫しています」。
完全無農薬のいちご栽培、無人いちご狩りとこれまでになかった革新的な事業を展開している山形さん。次なる野望はいちご専門のカフェづくりだそうで、プリンやカタラーナ、チーズケーキなどいちごの加工品にもすでに着手しており、道の駅などに販売して好評を博しています。
「うずしおベリーを知ってもらうと鳴門のことも知ってもらえる。鳴門のことを知ってもらえると、他県に誇れる観光資源を知ってもらえる。鳴門をもっと盛り上げるためにいちごで切り込んでいくのって面白いですよね。もちろん鳴門の人にも地元の魅力を再認識してほしいです。その出発点としてウチに足を運んでもらい、循環型農業で地球にも身体にも優しくて美味しいいちごを食べてもらえたら嬉しいです」。
課題
・いちごカフェの設立
・無農薬でのいちご栽培
企業情報
企業名 | 株式会社フルーツガーデン やまがた |
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業種 | 農業 |
事業内容 | いちご・梨の生産販売、 卸、観光農園、いちご販売コンサルタント、 農業資材販売、ハウス建設 |
住所 | 大津町大代645-1 |
代表者名 | 代表取締役 山形文吾 |
設立 | 2012 年 |
HP | https://fg-yamagata.com/ |
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