2023.03.31

鳴門だけにしかない「藍× パール」の世界

ジュエリー・アプローズ 様 代表 / 喜多須幸恵さん

ジュエリー販売 コラボレーション認知度向上生産性向上販路拡大

 

「涙・愛情・美しさ」。3 つの象徴を意味するパールは多くの人を魅了し、世界中で人気があり、特に日本では、冠婚葬祭で身につけられる馴染み深い宝石です。そんなパールに徳島が誇る伝統・藍染を組み合わせた“藍パール” を生み出し、富裕層の方を中心に人気を博しているのが、『ジュエリー・アプローズ』です。

「学校卒業後は百貨店の宝石売り場で勤務していまして、子どもができた時に病院の先生や看護師さんたちから宝石に興味を持っていただいて。出産後は百貨店を退職し、個人で宝石の営業を始めました」。

朗らかに昔のエピソードを語ってくれたのは、代表を務める喜多須幸恵さん(56)。百貨店時代の宝石メーカーのバックアップもあり、自家用車に子どもと宝石を載せて病院や様々なところへ営業を行っていたそうです。

 

 

転機が訪れたのは10 年前。“ジュエリー・アプローズにしかない商品を作ってみたい” と思い、考えついたのが徳島の伝統工芸である藍染とのコラボレーション。様々な藍師や工房を訪ね歩き、藍染めについて勉強しながらパールを染めてくれる職人探しに奮闘します。
衣服やタオルなどの繊維質のものであれば全く問題なく染められるものの、パールを染めるというのはそれほど前例がなく、技術力があって新しい試みを共にしてくれる職人は県内でも簡単には見つからず、ようやくたどり着いたのが加藤さんという県内屈指の藍染職人でした。

そこからは試行錯誤の連続。繊維に染めるような濃い色がなかなか出ないので、染料を本藍にしたり、粒の大きさによって染まり方が変わるかなど研究に研究を重ね、ようやく納得のいく水準の商品が出来上がりました。
それでも、天然素材を使ったパール。藍によって染まり具合が異なるだけでなく、染め方の工夫などが分かっても全く同じ染まり方をするパールはありません。しかし、喜多須さんはそれこそが本物の証だと胸を張ります。

「パールの性質や染料の状態によっても違います。ただ濃い色が均一に入った藍パールは他店でも手に入りますが、一粒一粒異なる色の入り方をしたアプローズの藍パールは一粒として同じ色がなく、本藍の淡く品のある色合いはオンリーワンだと思います」。

 

 

お客さまの要望を感じ取りながら造るオーダーメイドの商品は、喜多須さんが心を込めて手掛ける一点物。紐も一から編んで藍染めしており、パール同様、一つとして同じ色に染まることがないため世界に1 つだけの商品です。

そんなこだわり抜いて作られた藍パール。一般的なパールとは一線を画した神秘的で奥深い美しさがあります。光に触れるとパール独特の無垢な発色に藍の爽やかな青が乗ることで品があり、つい目を奪われてしまいます。その品質は折り紙つき。独自のこだわりを持ち県を代表する優れた商品に与えられる「とくしま特選ブランド」に選出され、県内に留まらず、国外からも熱い視線が送られており、上海の展示会に参加することも決まっています。

 

 

 

「せっかくの藍パールなので、新しいものをどんどん買ってくださいというより、少しでも長く使っていただきたいので、お客様のご要望を聞いた上でデザインを考えます。なんでもない世間話から、お客様が本当に大切にしている価値観なども知ることができるので、ヒアリングはつい長くなってしまいますが、お客様のことを知る大切な時間でもあるんです」。

大のおしゃべり好きな喜多須さんですが、この滲み出る人柄の良さこそがも多くのファンがいる一番の要因なのかもしれません。思い出のジュエリーを修理に来られる方、確かな品質を求める少し上の世代の方から、自分たちで結婚指輪を作ろうと若者世代が訪れることも多いんだとか。

 

 

「どうしてもパールというと少し年齢層の上の方たちが身につけているイメージが強いですが、もっと若い世代の方たちにパールの良さを広めていきたいです。そのためにもより良い商品を提供しながら、価値を発信し続けていこうと思います」。

お客様とのヒアリングを重ねて、出来るだけ要望に近い商品を作ることを心がけているジュエリー・アプローズ。確かな品質はもちろん、初めてジュエリーを購入する方でもお求めやすい価格帯を用意しているのも喜多須さんのジュエリーを少しでも身近に感じて
もらいたいという想いもあってのこと。
人と人の出会いを大切にしながら、一期一会の素敵なジュエリーを提供するジュエリー・アプローズはお客様の笑顔のために、今日も真摯にパールと向き合っています。

 

課題

・自社製品の発信拡大
・服飾関係などつながりを強化するためのマッチング

企業情報

企業名 ジュエリー・アプローズ
業種 製造・小売
事業内容 宝飾品の製造、小売、ワークショップ
住所 鳴門市撫養町南浜字蛭子前東30-2
代表者名 喜多須 幸恵
設立 1995 年
HP http://ai-pearl.com
Facebook https://www.facebook.com/applause.kitakita/?ref=bo
Twitter @applause1995
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